日本社会と現代の若者の実情
今の社会や企業が子どもたちに求める力。
21世紀を迎え、子どもたちを取り巻く環境は大きく変わりつつあります。中でも急速なグローバル化は、将来に大きく関わる変化でしょう。日本国内は人口が減少し続け、市場規模はどんどん小さくなり、また海外メーカーの技術力が飛躍的に向上したことで、競争が激化。日本企業も生き残るために変革を迫られています。そんなグローバル社会の中において、企業は採用選考で「コミュニケーション能力」「主体性」「チャレンジ精神」のある人材を求めているようですが、これらの項目はいずれも『自信』によって磨かれるものばかりです。また、数年前と比較して外国人を含めて採用活動を行う企業が増えてきています。企業は優秀なグローバル人材の確保のために日本だけでなく、海外も視野に入れて動きだしているのです。この状況は、さらに広がっていく可能性が高く、企業が求める人材に当てはまらなければ、グローバル社会で勝ち抜くことは難しい時代となるでしょう。
- 企業が採用にあたって重視した点
-
POINT 企業は採用活動において、「コミュニケーション能力」「主体性」「チャレンジ精神」を重視。これらの項目はいずれも『自信』によって磨かれるものばかりです。 - 外国人留学生を採用する企業
- 外国人留学生を採用する目的
-
POINT 「優秀な人材の確保」を目的として、大手企業を中心に外国人留学生の採用が拡大しています。
自分に自信が持てない日本の若者
日本の若者の現状
これからを生きる若者の現状に目を向けてみましょう。弊社の代表は前職で採用コンサルタントの仕事をしていました。その当時、実際に"自分に自信が持てない学生"を数多く目の当たりにしてきました。彼らの中には、親や学校の先生に言われるままに育ち、一般的には"良い子"と評価されてきましたが、就職活動で満足のいく結果を得ることができず、その挫折から立ち直れない者もいました。「これまでは学校の先生や塾の先生に良い大学に入ったら幸せになれると教えられて頑張ってきた。でも就職活動は学歴だけでは評価してもらえない...。自分の人生は間違いだったのか?」このような悩みを持つ学生がたくさんいるのです。今まで勉強の方法や進路の選択、そして自分自身の将来についても...大切な選択をすべて両親や先生に委ねてきた子どもたちは、答えが用意されているわけではない"社会"にうまく順応ができず、自信を失ってしまうのです。
自信の根源となるものは
では、自信とはどのように育まれるのでしょうか。自信の根源とは『自己肯定感』と『自己効力感』だと言われています。『自己肯定感』とは、ありのままの自分を肯定的に捉えること、また目標や将来に向けて頑張ろうと思える感覚のこと。この『自己肯定感』について、海外の若者と日本の若者を比較すると、「自分自身に満足している」と答える人の割合が、日本の若者は圧倒的に低いです。要因としては、ここ十数年に及ぶ沈みがちな日本の景況感によって、社会に対して希望が持てないことや、日本の若者は海外の若者に比べて自分以外の他者の評価によって、自己満足度を得ている傾向が高いことが影響していると考えられます。また、二つ目の『自己効力感』とは、何らかの課題に直面した際、「自分には必ず実行できる」という期待を自分自身に持てる感覚のこと。この感覚は、過去の成功体験の積み重ねによって得ることができます。この『自己効力感』も、外国の若者と比較すると、日本の若者の意識はかなり低いと言わざるを得ません。子どもの頃から自分自身でやりきった成功体験や挫折、大きな失敗を乗り越えた経験が無いまま大人になってしまった若者が増えたことが大きな要因だと推察されます。
- 我が国と諸外国の若者の意識に関する調査(平成25年度)
-
POINT 自分自身に満足している(=自己肯定感が高い)若者が海外と比較して日本は圧倒的に少ないです。 POINT 物事に意欲的に取り組む(=自己効力感が高い)若者が海外と比較して日本は圧倒的に少ないです。
自信の根源である「自己肯定感」「自己効力感」が低いからこそ、日本の若者は自信を持つことができないのです。