【教室便り】新大宮教室
【合格体験記】 必殺技:逃げない
今回は、奈良高校 普通科に合格した生徒の合格体験記をご紹介します。
小学生の頃からKECに通い、受験期には葛藤と不安に向き合いながら、最後まで逃げずに挑み続けた彼女の姿を、私たちはずっと見てきました。
入塾当初から理解力の高い生徒さんでしたが、中学生になってからは「目標が明確でないまま、課題をこなすだけの勉強」になってしまい、内申点は奈良高校を目指すには決して高くはありませんでした。
素の能力が高く、これまで多少力を抜いてもそこそこの結果を残してきた彼女――
そんな彼女にとって奈良高校は人生で初めて真正面からぶつかる壁になりました。
目標を下げてしまえば、正直それなりの結果には落ち着くでしょう。
しかし、その経験は彼女の人生の糧になるだろうか?
「本気で向き合い、しんどくなるまで努力する経験」をすることでしか得られない自信を身に付けるチャンス―高校入試よりももっと大切な「人間的な成長の機会」なのではないだろうか?
でも、そのチャレンジの背中を押した後の結果に、塾として責任が取れるのか?
我々スタッフもずっと悩んできました。
本人やご家族と、面談や日頃の会話で細かくコミュニケーションをとりながら
彼女の意志を明確にし、徐々に覚悟を決め、本人とご家族と教室で一緒に「受験生」になっていきました。
当日そのビハインドを覆せるのか、不安を感じる毎日でしたが、それでも彼女は志望校を変えることなく、自分の足で最後まで走り切ったのです。
ここからは、彼女自身の言葉で綴った合格体験記をご紹介します。
【合格体験記】「後悔しないように」
氏名 M.Sさん
合格校 奈良高校 普通科
近畿大学附属 Super文理
帝塚山高校 女子英数
県立大学附属 探求科
私は中学に入学したころから郡山高校に行けたらいいかなと思っていました。高校受験や郡山高校を甘くみていたため、内申点をあまり多くとろうとせず、課題だけをやって過ごしていました。だから中学二年の内申点も郡山高校に行けるギリギリのラインでした。しかし、三年生になり、奈良高校のことを知っていくうちに、奈良高校に行きたいと思うようになりました。でもこれまでサボってきた人がいきなり真面目になれるわけでもなく、秋くらいまでは正直勉強に向き合えていませんでした。だから内申点は周りよりも低かった。周りの人がとても頭がいいように見えて、自分はなぜ出来ないんだろうと悔しくなった。それに加えて、リアル入試では不合格、直前の模試ではC判定でこれでは無理だろうと本気で思いました。でも今さら志望校は変えたくない、奈良高校に行きたいと思い、今までよりも勉強量を増やしました。あの頃の悔しさを糧にして。過去問で点数がとれなくても、どれだけ周りの頭がよく見えても諦めず勉強をしました。
私は高校受験によって得られた物は合格だけではないと思っています。あきらめないことや自分を信じること。そして忘れてはいけないのが内申点をとっていないと後悔することです。高校受験はゴールではなく、スタートだと思って大学受験に向けて今回学べた多くのことを活かして行きたいと思います。
受験期の彼女は、まさに「悩みながら、信じながら、走り切った」人でした。
もともとは「ガッツと根性!」というタイプではないのですが
楽な方に逃げたい気持ちと、目標を諦めたくない気持ちの間で揺れながらも
最後まで努力をやめませんでした。
彼女が成績を伸ばしたのは、何か特別な才能があったからではありません。
授業後も残って自習をし、質問に来て、15回以上の過去問と模試を重ねながら、自分の弱点に愚直に向き合った——そんなひたむきな積み重ねの結果です。
そして受験を経て、彼女は「自分を信じぬく力」を育ててくれました。
この人間的な成長こそが、私たちKECが大切にする“人間大事の教育”の本質です。
彼女が手にしたのは、「合格」という結果だけではありません。
それは、きっとこれから10年、20年先も続いていく、自信の根っこになるでしょう。
高校受験はあくまで通過点。
この経験を力に変えて、また一歩ずつ未来へと進んでいってくれることを、心から願っています。