青翔中学校
令和6年度(2024年度)出題形式について

適性検査1:国語

1.「理系」色の文章における論理的読解・作文が試される

傾向は変わらず、「理系」色が強い内容の文章を素材とし、設問は「本文内容を『正確に』読み取れているか」を求めるものでした。

作文についても、①過去には「実験」「観察」「図表の内容の文章化」が出題されている、②今年は「進化についての考察」が出題された、というように、「理系」色が強い出題が多いです。

特に今年の場合は、「資料なしでキリンの進化について考察する」というものであり、「理系的発想」も求められるものでした。

2.知識問題・作文問題の重要性

「知識系」といえる設問は2題ですが、作文以外の設問数が5題であることを考えると、知識系で確実に得点することが重要となります。

作文については、昨年(図表の内容の文章化)も今年も、「正解とみなされる内容が限定的な作文(『この内容なら正解(不正解)』が明確な作文)」であり、受験生間での点差がつきやすい出題です。

 国語領域の問題は大問2
(適性検査1 100点満点(40分) / 国語領域50点・社会領域50点)

本文内容論説文(郡司芽久『キリンのひづめ、ヒトの指 比べて分かる生き物の進化』より)
「魚類の『肺のような器官』の進化」を話題として、生物の進化について述べる文章
(一)本文中の空所に補充する語句の組み合わせ(選択肢問題)
(二)同じ部首をもつ漢字を選ぶ(選択肢問題、すべて選ぶ)
(三)傍線部の理由説明(選択肢問題)
(四)傍線部を説明した文の空所(二か所)補充(書き抜き問題)
(五)傍線部を説明した文の空所(二か所)補充(書き抜き問題)
(六)作文:「キリンの首が長いのは、首の長い個体が首の短い個体より生き残りやすかったことによる」ということについての作文
・第一段落:首が長い個体が「生き残りやすい」と考えられる理由を二つ書く
・第二段落:今後、体にどのような特徴をもつ個体が生き残るかについて、理由とともに考えを書く
・160字以上180字以内

適性検査2:算数

昨年から試験時間が40分から50分にのびたことにより、 小問数が若干増えました。

(2022年度→9問、2023年度→11問、2024年度→13問)

また、 問題文も非常に長くなっており、 読解力が求められるようになりました。

そのため、時間的な余裕はそこまで変わらず、問題に書かれている会話文の中から必要な情報を見つけ、 素早く解くことが求められました。

奈良女子大学附属中等教育学校と同様に、 途中の式や説明を書く問題が出されます。

青翔中学校は公立の適性検査型としては、 比較的易しいレベルの問題を扱う中学校です。

ただし、問題文をきちんと読み込み、またそこから問題を解くヒントなどをつかまなければならないのは、 他の適性検査型の入試と同様です。

近年、 特殊算と呼ばれるような小学校では習わない問題も出されるようになり、 問題の難易度は上がってきています。

普段から、受験算数の問題に取り組んできた生徒にとっては目新しい問題ではありませんが、受験算数の問題に取り組んでこなかった生徒にとっては、難しい内容になっています。

また、奈良県の公立高校入試の数学の問題のように、別の方法での解き方を考えさせる問題もよく出されます。

 算数領域の問題は大問1~大問3
(適性検査2 150点満点(50分) / 算数領域75点・理科領域75点)

大問番号小問数内容
[1]インド式計算
(1)千の位と百の位の数を答える問題
(2)面積を求める式を答える問題
(3)等しい関係にあるものを探す問題(空欄補充)
(4)長方形の横の長さが表す意味を答える問題(選択問題)
(5)100万でわったときのあまりを求める問題
[2]角柱と円柱
(1)円柱の直径を求める問題
(2)円柱の体積と底面積の差の関係を説明する問題(説明問題)
(3)四角柱の体積を求める問題
[3]資料の調べ方
(1)適切な代表値を選ぶ問題(選択問題)
(2)ヒストグラムの読み取りの問題(選択問題)
(3)①表にあてはまる数を求める問題
(3)②2つのものを比較する問題(選択問題)
(3)③3つのものを比較する問題(選択問題)

適性検査2:理科

全10問中、 記述問題が6問、計算問題が1問、記号選択や語句を答える問題が3問でした。

記述問題も実験方法を説明する問題が1問出題されましたが、主に現象の理由を説明する問題が多く4問であり、理由を説明する問題が多く出題される傾向にあります。

また、記号選択の問題も実験結果や資料を読み取り、そこから分かることを選ぶ問題が多く、普段の演習から「なぜ?」を考えて説明する練習をしておかないと解くのが難しくなってきます。

また、実験方法を説明したり、実験方法などをヒントにしながら、資料の意味を読み取ったりする必要があるため、 時間配分にも十分注意して問題を解く必要があります。

 理科領域の問題は大問4・大問5 小問10問。
(適性検査2 150点満点(50分) / 算数領域75点・理科領域75点)

大問番号小問数内容
[4](1)ヨウ素液がどんな色になったら、でんぷんがあると判断できるかを選ぶ問題
(2)エタノールを加熱する方法として、安全上適切な方法でないことを説明する問題
(3)一晩アルミはくでおおった葉についても、でんぷんがあるかを調べる理由を説明する問題
(4)実験結果からわかる、光合成に必要な光以外の条件を答える問題
(5)植物が光合成を行うのに二酸化炭素が必要であることを確かめる実験方法を説明する問題
[5](1)収れん火災の危険があると思われるものを3つ選ぶ問題
(2)雨が降ったあとのビニールハウスで収れん火災が起きた理由を説明する問題
(3)①虫めがねで集めた光の大きさが小さくなっていくと、光の明るさと紙の温度はどのように変化するかを説明する問題
②虫めがねとろうそくの距離が17cmのとき、虫めがねと紙の距離が850cmのところにできるろうそくの炎の像の大きさを計算する問題
③紙に像が見えないくらい、虫めがねとろうそくの距離を近づけた場合に、像を観察する方法を説明する問題

適性検査1:社会

知識問題に加え、資料を読み取り分析する力が求められる問題が出されました。

問題文で問われている内容をしっかり読み取る力が求められます。

(2)は遺跡の時代の名称だけではなくその時代の特徴についての知識も問われました。

このため知識の暗記だけではなく総合的な理解力が必要となります。

 社会領域の問題は大問1
(適性検査1 100点満点(40分) / 国語領域50点・社会領域50点)

大問番号小問数出題内容
[1](1)資料(メモと地図)を見て、八戸と休屋の日照時間を示したものを選択する問題
(2)三内丸山遺跡の時代を答え、さらにその時代を述べたものとして適切なものを選択する問題
(3)湖の略地図に方眼紙を重ねたものを見て、湖の面積として適切なものを選択する問題
(4)青森駅周辺の3枚の地図を、資料を参考にして古い順に並べかえる問題
(5)りんごの輸出量の変化を示したグラフを見て、読み取れることとして適切なものを選択する問題

適性検査3

1グループ6~7名(男女混合)、35分間程度で実施。30点満点。

ノーベル賞を受賞した小柴昌俊氏の『心に夢のタマゴを持とう』について述べた文章の朗読が1回放送され(メモ可)、その後発問があります。

内容
問題①解答用紙の問1メモ欄に放送内容を要約して書く。
問題②小学校の学習の中で不思議に思ったことをA4用紙にまとめ、 用紙を見せながら発表する。発表者以外は、問3メモ欄に記入しながら聞く。(発表者番号も記入しておくこと)
問題③解答用紙の問3メモ欄を参照して一番良かった人の意見とその理由を発表する。

過去の出題形式

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