令和6年度(2024年度)出題形式について

適性検査Ⅰ(国語領域)出題形式

「適性検査Ⅰ」全体として、2023年度と同じく「大問3問構成(大問1:国語/大問2:社会/大問3:国語・社会融合問題)」でした。

また、「検査Ⅰ全体のボリューム」「国語と社会の設問比率」ともに、2023年度と大きく変わっていません。

1.本文内容を「細かいところまで」「正確に」読み取る力が求められる(選択肢問題は「やや難化」)

設問数に大きな変動はありませんが、「本文内容に合致するものを選ぶ」という選択肢問題は増えました(前年は2問、今年は4問)。

選択肢の字数は40〜60字であり、長いものではないが、下記のように「細かいところに対する気づき」が必要なものが多かったです。

その点では今年度は「やや難化」といえます。

【選択肢の例(記号を用いてモデル化してあります)】

「AはBやXよりもCである」「Aを通してXでCしたり、CによってDしたりする」

→いずれも「X」以外の内容(および、 その論理的なつながり)は本文に合致しています(つまり、大部分は「正しい」説明です)。

よって、選択肢のごく一部である「X」の誤りに気づけるかどうかが勝負となります。

2.「知識系」設問の出題なし

「知識系」の問題については、2022年度は「部首名」「画数」、2023年度は「三字熟語の組み立て」が出題されていましたが、今年は出題がありませんでした。

3.作文問題は「定型化」傾向

3年連続「空所補充をして題名を決める」「第一段落は『経験』を書く」「第二段落は『考え』を書く」「120字以上150字以内」という出題でした。

国語領域は、大問1と大問3の問一・三 (適性検査Ⅰ 100点満点・45分)

大問番号小問数内容
【本文】論説文(「はじめさんとさくらさんが『学ぶとは、どういうことなのか』を考えるために二つの文章を読んだ」という設定で、文章A・文章Bの二つの文章を提示)
文章A:刈谷剛彦『知的複眼思考法』より/活字メディアと「複眼思考」関係を述べる内容
文章B:今井むつみ『学びとは何か-《探究人》になるために』より「一人での学び」「複数の人が集まっての学び」の双方の必要性を述べる内容
問一 漢字の書き取り(2問)
問二 本文中の二か所の空所に入る接続語の組み合わせ(選択肢問題)
問三 傍線部に関して筆者が述べていることの把握(選択肢問題)
問四 傍線部に関して筆者が述べていることの把握(選択肢問題)
問五(一) 「文章A・Bを読んだはじめさんとさくらさんの会話」の空所補充(書き抜き問題・2問)
問五(二) 「文章A・Bを読んだはじめさんとさくらさんの会話」の空所補充(選択肢問題)
問六 作文問題
「( A )には( B )と( C )を身につけていかなければならない」という題名(空所は自分で考える)の作文
・第一段落は題名に関する経験を書き、第二段落は第一段落に書いた内容をふまえての考えを書く
・120字以上150字以内
説明文:田中優子『グローバリゼーションの中の江戸』より
戦国時代や江戸時代の文化について説明する内容
問一 本文内容の把握(選択肢問題、二つ選ぶ)
問三 本文内容の把握(書き抜き問題)

適性検査Ⅱ(算数領域)出題形式

昨年度と同様に大問数が3問で、 大問3には算数と理科の融合問題も出されました。

小問数は算数は8問から6問に減りましたが、 記述が必要な問題は1問と変わりませんでした。

また、 問題自体の難易度や出題傾向は大きく変更はありませんでした。

公立中の適性検査型としては、比較的易しいレベルの問題であり、受験生の中には満点を取っている人もいると考えられます。

ただし、 解くのに時間がかかる問題も多く、 素早く情報を読み取り時間配分に注意する必要があります。

大問1の問3(2)はやや難しい問題になっており、 答えまでたどり着かなかった受験生が多かったと思われます。

また、大問3の問3(1)は算数の要素も含まれており、あまり見たことがないようなグラフだったため、戸惑った受験生も多かったと思われます。

ただし、 問題文をきちんと読めばそれほど難しい問題ではありませんでした。

昨年と比較すると、 全体的に難易度が下がり、 比較的解きやすい問題も多く出されていました。

そのため、普段、受験算数の問題に取り組んできた生徒にとっては授業で得た知識を活用して解くことができたと思われます。

適性検査Ⅱ《算数・理科的問題》(100点満点・45分)

大問3問、小問16問(算数6問、理科10問)

大問番号小問数内容
[1]問1 速さ
問2 (1)条件整理(説明あり) (2)場合の数
問3 (1)(2)円周上の点の移動
問4 集合

適性検査Ⅱ(理科領域)出題形式

今年度も、昨年同様大問数3問、理科の小問数10問であり、大問3は資料やグラフを読み取りながら考えていくタイプの問題が出されました。

また、大問3の問3(1)は、割合を用いたグラフであり、算数の要素もかなり入った問題でした。

問題構成としては、昨年度は、記述問題が4問であとは記号選択と語句で答える問題であったのに対し、今年度は記述問題が2問と減少し、図で表す問題が1問出題されました。

記述問題の特徴としては、実験方法を説明する問題はなく、現象が起こる理由やLEDの性質などを説明する問題でした。

昨年同様、資料や実験結果から考える問題が多数出題されており、資料やグラフ、実験結果から分かることなどを読み取る力が必要な問題だったと考えられます。

適性検査Ⅱ《算数・理科的問題》(100点満点・45分)

大問3問、小問16問(算数6問、理科10問)

大問番号小問数内容
[2]問1①電池を2個直列につないだときの検流計の針のふれ方を選ぶ問題
問1②電池の向きを逆につないだときの検流計の針のふれ方を選ぶ問題
問2 回路中の豆電球A~Cの明るさを,暗い・明るい・とても明るいの3段階に分けて選ぶ問題
問3 箱の中の6つの電池のつなぎ方のうち、問題の条件に合うものをすべて選ぶ問題
問4(1)図の中に導線をかき足し、1階と2階のどちらのスイッチでも、照明をつけたり消したりすることのできる回路を完成させる問題
問4(2)実験結果より分かる、LEDの性質を説明する問題
[3]問1 クモの巣に関する資料を参考にして、クモが矢印のように進み、虫にたどり着いた理由を説明する問題
問2 生き物が食べ物を、体に吸収されやすい形に変えることを何というかを答える問題
問3(1)グラフから、2cmのヨコ糸を0.3gの力で引っ張ったときの、ヨコ糸の長さを選ぶ問題
問3(2)グラフを参考にして、クモのタテ糸とヨコ糸の性質を選ぶ問題

適性検査Ⅰ(社会領域)出題形式

2023年度と比べ、設問数に大きな変動はありません。

大問二は地理・歴史の融合問題で、資料の読み取りと知識を結び付ける問題が中心です。

大問三は国語との複合問題で、世界遺産や聖徳太子に関する知識・理解力が求められました。

社会領域は大問二と大問三の問二・四

(適性検査Ⅰ 100点満点・45分)

大問番号小問数内容
[二]問一 (一)奈良盆地が奈良県のどの位置にあるかを選択する問題
問一 (二)大和三山の地図と画像を比べて、畝傍山を見下ろした画像を選択する問題
問一 (三)古事記伝を完成させた人物の名前を答える問題
問二 秋田市・仙台市・金沢市・高松市の気候を表す表から、仙台市を選択する問題
問三 奈良市道路損傷等通報システムの資料から読み取れるものを選択する問題
[三]問二 世界文化遺産を登録する国際連合の機関名を答える問題
問四 7世紀の日本について説明した文の空欄にあてはまる中国の当時の国名と、中国に使者を送った目的を10字~15字で答える問題

面接 出題形式

1グループ5名(男女混合)での実施。(30点満点・20分程度)

面接内容
集団面接面接官3名。質問は3問
① 小学校生活で頑張ったこと(1番から順にあてられる)
② 中学校で、力を入れて頑張りたいこと(5番から順にあてあられる)
③ 私のたからものについて(挙手制で発表する)
グループディスカッション実施無し。

 

過去の出題形式

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